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音響用アルミニウム電解コンデンサ「シルミック」シリーズは、従来に無い全く新しいタイプの電解紙を使用しています。新開発電解紙の主材料はシルク繊維であり、今までのアルミニウム電解コンデンサ材料としては考えられなかったものです。本開発品は、シルク繊維を叩解してマニラ麻繊維と混抄する事によて、優れた音響特性を発揮する最高級音響用アルミニウム電解コンデンサです。

シルク繊維について

シルクはご存じのように、カイコから吐糸される動物性タンパク質を主体とした繊維であり、通常アルミニウム電解コンデンサに用いられる植物性繊維(マニラ麻やクラフトパルプ)の原料となるセルロース繊維とは、形状や性質が大きく異なります。

例えば通常の紙を揉んだとき、“バサバサ”や“パリパリ”といった硬くピーク感のある刺激的な音がします。マニラ麻の電解紙もクラフト紙よりは大人しいものの、かなり刺激的な音がします。これらはセルロース繊維の硬さに因るところが大きいためです。それに比べて、100%シルク繊維で造った紙は非常に柔軟性に富み、刺激的な音は全くと旨っていいほど出てきません。

これを物性でみてみますと、セルロースは限界伸び率1.9〜3.9%、引張り強さ4.9〜6.4グラム重/デニールであるのに対し、シルクの限界伸び率は約7倍の20〜23%にも達し、逆に引張り強さは3.6〜4.1グラム重/デニールと弱くなっています。

シルクは、フィブロインという繊維状タンパク質がセリシンというタンパク質の皮膜に包まれた形となっています。このタンパク質は、主にグリシン、アラニン、セリンといったアミノ酸で構成されているため、他の天然繊維に比べると非常に簡単な組織構造となっています。また繊維表面も滑らかで、繊維軸方向に長く規則的な結晶をもったポリペプチド鎖を有しています。

以上のように、シルクはセルロースと比べて非常に柔らかく、耐衝撃性に著しく優れており、一言で表現すれば「しなやか」な繊維といえます。

シルク混抄紙による音質改善効果

当社では、このシルクの“しなやかさ”が、コンデンサ内の電極間に発生する振動エネルギーや空気中を伝わってコンデンサに及ぼされる音楽の振動エネルギー、さらにはセット内の回転系やトランスから及ぼされる機械的な振動エネルギーを緩和するとの見解にたち、開発を進めて参りました。

前述のように、シルクは機械的強度が弱いため、マニラ麻繊維との混抄により実用化を達成しました。混抄紙においては、シルク繊維叩解工程によりフィブロインのみを取り出し細かく砕きますが、その工程中で、シルク繊維は単繊維よりも更に細かくてしなやかな細長いタンパク質鎖に枝分かれをします。

単繊維では、シルクもマニラ麻と同じ約10〜15μmの繊維径であったものが、叩解工程で約0.3から2μmの繊維径になり、混抄時にマニラ麻繊維に絡みついて隙間(約20〜50μm)を埋めながら紙を形成してゆきます。[写真参照]

このようにして吸振の意味からすれば、真に理想的な形状となった訳です。

さらに、電解紙繊維と駆動用電解液の界面の面積が大きくなった事により、信号の伝達速度も速くなる(ESRが下がる)事も分かりました。例に、GBL系電解液において1kHzにおけるESRは、同一厚さ及び密度のマニラ麻単体のセパレータ紙よりも約20%低くなります。

電解紙以外は全く同じ材料及び条件で、63V15000μFのブロックタイプコンデンサと50V1000μFのラジアルリードタイプ小形コンデンサを作製し、試聴評価を行ったところ、高域ピーク感や中域の粗さが大幅に減少し、さらに低域の伸びと量感が増加されたハイクオリティーサウンドが得られました。

シルミック「SILMIC」シリーズでは、さらに未エッチング部を多くした陽極化成箔、また信号の伝達を良くするための55μm低倍率高純度陰極箔を採用し、シルクの特性との相乗効果により、今までのアルミ電解コンデンサでは得られなかった「しなやか」で量感のある音楽再生を可能にしています。

写真

マニラ麻100% ×1000

シルク70% マニラ麻30% ×1000