電気二重層コンデンサは活性炭と電解液の界面に発生する電気二重層を動作原理として利用したコンデンサです。
活性炭が電極として使用されその原理を図1に示します。固体として活性炭、液体として電解液を用いて、それらを接触させるとその界面にプラス、マイナスの電極が極めて短い距離を隔てて相対的に分布します。この様な現象を電気的二重層といっております。外部より電界を印加すると電解液中で活性炭の表面の近傍に形成するこの電気的二重層を原理に利用しているものです。
電気二重層コンデンサは、従来のコンデンサで用いられている固有物質の誘電体は無く、また、電池の様に充放電に化学反応を利用したものでもなく、次のような特徴を有しています。
以上の特徴を生かし、電気二重層コンデンサは下記の様な用途に幅広く使用されています。
電気二重層コンデンサ | アルミニウム電解コンデンサ | ニッケルカドミウム電池 | 鉛シール電池 | |
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使用温度範囲 | -25~70℃ | -55℃~125℃ | -20~60℃ | -40~60℃ |
電極材料 | 活性炭 | アルミニウム | (+)NiOOH (-)Cd |
(+)PbO2 (-)Pb |
電解液 | 有機溶媒 | 有機溶媒 | KOH | H2SO4 |
起電方法 | 自然発生する電気二重層を誘電体として利用 | 酸化アルミニウムを誘電体として利用 | 化学反応を利用 | 化学反応を利用 |
公害性 | 無 | 無 | Cd | Pb |
充放電回数 | 100000回以上 | 100000回以上 | 500回 | 200~1000回 |
単位容積当たりの容量 | 1 | 1/1000 | 100 | 100 |
電気容量(Farad)